しろくまブックス

本のこと。嵐のこと。すきなこと。

やっばい、やっばい

f:id:go-go-gurumpa127:20160417102436j:image
あまりの面白さに持てる全ての時間を投入して全力で読んでしまった…
500ページを一日で読み切るなんて、久しぶりの全力疾走疾走で体力回復のための休日がとんでもないことになっている。

もう私、何かおかしいのかもしれない、←前からそれは分かってた。
読みたい本を次々と受信してしまう時期ってのがあって多分今絶賛その時期なんだと経験から分かるけど、なんせ身体がついていかない。

彼女の作品はかなり昔に読んでいてその柔らかな文章で紡がれる彼女独特の人と人との交感の記録が大好きだった。
それでなんとなく気になって半年以上前に買ったのに、理由もなく読まずに置いてあったのだけどふと手にしてみたら、思いもかけず面白さにのめり込んでしまってそこからは夢中になって読みきってしまった。

読み始めて思ったこと。 
読む本には、きっと「順番」いうものがあるんだ。この本は今のこの時期まで待っていたんだなと。きっと半年前の私にはここに出てくるお話の肝のようなものが理解できなかったと思う。ちょうどこの本を読み始める寸前に友人と宇宙の果てについて話していて(←類友)私達がいる世界は1つの細胞の中にあるという昔から取り憑かれている空想を話したばかりだったのも驚いた。
細胞!
まさにひとつの細胞と言ったその日のこの本。
本にだけ発揮される勘のようなものがここ最近ものすごく研ぎ澄まされていて怖いくらいだ。←相変わらず実生活の役には立たない。

役には立たないどころか、この感覚が実生活に侵食してきている気がしてきて逆に不安でこの物語に出てくるぬか床のように私の場合は意思を持った本棚に支配されているんじゃないかという気さえしてくる。ホラーだな。このままなら本棚前で絶命する。

でもこの不思議なぬか床をめぐる物語は、ひとつの孤独な細胞がただ未来永劫生き延びたいと願う結果様々な試行錯誤を繰り返しているという意外にも生物の存在論につながり、それは進化でもいいし退化でもいい。全体を通してその細胞の夢が叶えられればいいのであれば、自分の生存だけにこだわらずもう少しぬくぬくと人間のすみっこで気楽に生きていても大丈夫かな、本棚前で死んでてもいいじゃない。とものすごく気楽な気持ちになった。←あかんやろ

世界はぬか床だったのだな。
ぬか漬けってうまいよな。←オチが雑