しろくまブックス

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稲垣足穂の世界

こんにちは。息子に続き娘もインフルに感染し、慌てて自分のためのインフルの予防薬を医者に頼んだが「あんたはインフルくらいでは死なない」と処方を拒否られたしろくまです。

いいえ、確かにインフルでは死なないかも知れません。でもここで私がインフルに感染したら、きっと社会的に死亡します。

と言えるはずもなく、治りかけの息子とインフルなのにやたら元気な娘を隣の部屋に封印して金曜日をやり過ごし、今日は2人で留守番させて用事を済ませています。

ここ何週間も全く読書時間がなくて、今日やっと少しだけ。

自然科学的な宇宙の話も好きだけど、稲垣足穂の描く宇宙も好きです。
独特の言葉遣いが不思議な世界観を作っていて文学的な天体観測といったところか、クラフトエヴィング商會が彼の作品から生まれたのは有名だけど、色んな人が彼の作品を研究している。

私自身もなぜこの人の世界観に惹かれるのか分からないでいた。
宇宙といっても、湯川的な科学的なアプローチも、ガモフのような文学と科学の融合を試したユーモアでもなく、一見ではそれがまさかそれらと同じ土俵で語っても良いものだとは思えなかった。

稲垣足穂の存在論を簡単に解説してくれる本があると聞いて取り寄せてみてやっと平行線だったそれらの世界が交わった気がする。ガモフ的に言うと「ずっと平行線のままというものはない、いつかは必ず交わる、何十億年後か先だから、見ることが出来ないだけで」というくらいの天文学的な奇跡なのかも。

本当の宇宙も膨張と収縮を繰り返しているそうですが、私の中の宇宙も膨張と収縮を繰り返しているみたいです。
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