なんだよー?神の恩寵ってよー?
私はこんな境遇なので、(いつか詳しく説明するかも)離婚を考えているご夫婦から相談されることも多くて、1年前ある夫婦(と間男)から言われたことが忘れられない。
離婚したあと、女性が自立して生きていけるかということについて、
夫は妻にこう言った。
「しろくまさんも生活出来てるんだから大丈夫だよ。(だから離婚しよう)」
妻は言った。
「私はしろくまさんみたいにできないし恵まれてないから(離婚は怖い)」
そして間男は言った。
「離婚して母子手当もらって、しばらく市営住宅に住めば楽に暮らせるよ。(とりあえず離婚したら?)」
全員どんなオメデタイ頭なんですかー??
どの人も違う事を言っているように見えるけど、全員本質は同じで全く同じ事を言っているのに全然気づいていなくて悲しかったなー(T_T)
(しかも、結局離婚せず)
そしてこの本の紹介文ほど違和感を感じ、その時の事を思い出させた本はなかった。
物語はソーネチカのどちらかといえば苦労の多い、報われない人生が淡々と抑えた表現で記録されている。見方によれば苦労だし、別の見方をすれば幸せにも見えるかもしれない。
でもソーネチカの人生は彼女が人間らしい強かさで作り出した「彼女のもの」であって、苦労も幸福も彼女が決めることで、それを他人が神とか愛とか恩寵とか祝福だなんて表面的な言葉で装飾して紹介するのは違うと思う。彼女の心の中には嵐があるのか静謐があるのか誰にも分からないじゃない?
少なくとも私は神の恩寵なんてないしそれを期待して生きているわけじゃないけどなー。
とりあえず日本人はロシア文学をやたら神格化するクセをやめたほうがいい。素晴らしい物語なのに少し残念な読書になってしまいました。