しろくまブックス

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さっきまであなたがいた未来

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すごく話題になっているみたいですが、私も初めて聴いた瞬間から頭から離れなくなってしまったのが、宇多田ヒカルさんの「真夏の通り雨」。

その日、天気のいい朝お洗濯を干すためにベランダに出た。
目の前に突然現れたのはベランダの外の濃い緑で、あまりの濃さと眩しさに目を細めながら、毎年どんどん萌え行く緑を眺めるのが楽しみだったのに、今年はそれさえも忘れ、さらにこの緑を見て今が夏に向かっているのか冬に向かっているのかしばらく考えなければ分からないまでになっていた自分に愕然とした。

ZEROは報道番組として好きだし(翔くんの育ち具合も気になるし)なんとなく観てるのだけど、この曲を初めて聴いた時、おそらく歌詞とかメロディとか短い時間で分析できたわけではないと思う。それでも五感全てが私に揺さぶりをかけてくるのがすぐに分かった。これは何なのか。iTunes Storeで買えるようになってすぐに購入した。

勝てない戦に息を切らして、季節も分からないくらい毎日をすり減らしていたことに気付いた日、大切な人とのタイムリミットを知った。

さっきまであなたがいた未来を私はどう生きればいいのかな?

彼女の歌は緑の若葉から青空に向かって吸い込まれていくような、湿り気を帯びた真夏の雨の匂いのようなものが私のカラカラの胸をどんどん満たしていく。

この曲に出会っていなかったら今頃私は自分でも気づかないくらいの暗い場所にいたかもしれない。癒されたいのではない、励ましもいらない。悲しくてその場から動けなくても、少しだけ穏やかにその時を過ごせるような時間があればそれでいい。
この曲はそんな居場所のような曲です。