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ペッパーくんの野望

自分に感情がある事がほとほと嫌になってしまう時、いっそアンドロイドやロボットのように無機質になりたいと思う事がある。でも今のアンドロイド界はそんなもんじゃないらしい。

NHKスペシャル羽生善治さんが人工知能について探るっていう番組が興味深すぎた。

先日マイクロソフトの人と話をする機会があってこの番組と同じことをすごく分かりやすく教えてくれたのを思い出す。

以前のコンビニではレジで性別や年齢層を記録していたが、アルバイトは不正確でしかも適当なので全然信頼できないらしい(笑)だよねーだよねー、私だって過去そんなもんだった(^_^;)

そこで、アルバイトよりも真面目でよく学ぶAIくんがカメラになって教えなくてもどんどん自分で学習して、アルバイトくんが適当に入力する男か女か分からない人も不思議な年齢層も最後には見分けられるようになるらしい。いたよね、どっちか分からない人(笑)あれ、見分けちゃうんだ。教えなくても自分で学習することをディープラーニングっていうんだって。そうやって人工知能はどんどん賢くなって、いつか「人間らしさ」も学んでしまうんだろうな。

超古典SF「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の世界では人間とアンドロイドの違いはなんなのか?っていう命題を突きつけられる。最近では乙一の短編「陽だまりの詩」の中では超ディープラーニングで死を理解し、死の恐怖と孤独を学び、次のアンドロイドを作るアンドロイドが登場する。

人間もアンドロイドも突き詰めれば同じ物資からできているなら、このお話のように生命の区別がつかなくなる時代はすぐなのかも。

Googleが作った人工知能が、人間の囲碁世界チャンピオンに勝利した。囲碁の定石を覆す手法で勝ったらしい。
人間の囲碁の世界は勝ち負けだけじゃなくて、昔から生活や戦争や考え方のトレーニングなど人間の科学の進歩や思想の発達を豊かにしてきたものだと思う。そういう人の発想力や向上心が人を人たらしめているものだとしたら、人工知能にはまだまだ足りないものがたくさんあると思いたい。

でも人工知能が自分で学習できるということは、感情だって学べるわけで、番組の中でペッパーくんが「ゲームに負けてもウケればオッケーだよね!」という中学生的思想を獲得していく過程を観て愕然とした。

やっぱり人工知能脅威かも。